佐藤元一氏マジックショー&セミナー

マジック

先日お伝えしたあの日本奇術協会理事の佐藤元一氏によるレクチャーに参加した塔上の奇術師さんから、レポートをいただきましたのでご紹介します。

行ってきました、佐藤氏のレクチャー。

「最近のTVの種明かし問題についてどう思われますか?」
と質問をする暇もなく、あっという間に帰っていったので、ネタになるような話を直接は聞けませんでした。

 

まず、「すぐ使えるマジックグッズ」が配布されました。新聞紙が配られたので、「水と新聞紙」のネタだと思いましたが、本当に仕掛けのない、ただの新聞紙でした。その中にストローが3本。次に大きめのトランプ。3枚だったので、すぐに「あのネタ」だと思いました。最後が、サムチップ、赤いシルク、プラスチック玉子。

 

次に、佐藤氏の語る奇術の話から始まりました。

 

※奇術ってなぁーに?のお話
人間の常識の裏をかき、不思議な現象を起こし、観客を楽しませる芸能。

 

※三つの「る」のお話
1.わかる・・・タネがわからなくてはできない。
2.できる・・・タネだけわかってもできない。
3.みせられる
(見せられる・・・できるのと見せられるのはちがう。)
(魅せられる・・・観客を魅了する。)

 

※おやくそくの話
サーストンの三原則
1.やる前に現象を言わない
2.二度同じ手品をしない
3.絶対種明かしをしない
これに佐藤氏の付け加える2原則
4.上品に演技する
5.よく練習すること

 

他にも佐藤氏は、「やるだけなら、訓練すればサルでもできる」「お客さんに対して、『いいか、おまえらのこと引っ掛けてやるよ』という態度で見せてはいけません」と言ってました。

 

佐藤氏は最初に「プロの演技」を見せてくれました。空の手からタバコが現れ、消して、左脇から出す。そして、鼻に入れて、すぐに口から出すというもの。この演技と、上記三つの話を織り交ぜ、講義しました。が、やっぱりネックは「種明かし」。サーストンの話3の話の時、「種明かし」はいけないと言ったあと、こんなことを言っていました。「そうするとね、セミナーに来た人たちはこう言うんですよ。『そりゃ、ウソでしょ、先生。先生はこれから種明かしをするじゃありませんか』」すると佐藤氏、我々は閉鎖的なマジックのために種明かしはいけないと言うのではなく、見る人の楽しみを奪わない為にそういうのだ。という意味のことを発言。

 

が、その例のために、「人体浮揚」の種明かし。15世紀、ハリーケラーという奇術師が考案したという、「輪を通して、浮いていることを証明する方法」があるんです。といって、それを暴露。その後、「でもね、これは今から4、500年前に考案された方法でね、こんな仕掛け使って浮かしてるマジシャン、少なくとも日本にはいませんよ。まあ東南アジアだとかは知りませんけどね。」と。なんかマスクマジシャンと同じ発言だなあって。

 

一通りの説明が終わるとマジックのレクチャー。

 

(略)

 

以上でレクチャー終了。生まれて初めてのレクチャーだったので、プロの演技に触れられたのは、うれしかったです。

 

でもやっぱりなあ・・・なんでイリュージョンのタネ暴露するのよ。終わりには本日のレクチャー&暴露の「量」を自慢するような発言さえ見られました。

 

講義終了後、司会の人に、今日はこんなに種明かししていただいて・・・というような言葉に、佐藤氏は、「それに人体浮揚のネタまで明かしましたからね。今日は大サービスですよ」と。その言葉を聞いたとき、ボクはおいおい、と感じたわけです。正直、今回のレクチャーは、アラビアンカードの細かいハンドリングと改め、サムチップをハンカチから抜くときの注意など、ためになるものが多かったのですが、最後の「大サービス」という一言で、「単なるタネの暴露」という印象を他の生徒の方たちに植え付けてしまったような気がします。でもこれは佐藤氏の印象が、例の件であまりボクにとってよくなかったので、そうとってしまったのかも知れません。

 

結論、というか感想ですが、佐藤氏のレクチャーは行って損はないと思います。さすが30年以上他のマジシャンに教えてるだけはある、といった感じです。ただ難を言うなら、ネタの選考がまずかったと思います。今回のレクチャーは初心者向けだったわけだから、やっぱりイリュージョンとサムチップはやばかったんじゃないかな・・・と。サムチップは一般の人には原理は知られてないわけですから。まあすぐ使えるマジックセットといったらそれしかありませんけどね。

以上でレポート終わります。塔上の奇術師さん、レポートありがとうございました(^_^)。レポートには、レクチャー内容も細かく書いていただいていますが、これから受講する方のためにカットさせてもらいました。それにしても佐藤氏、いいこと言っています。三つの「る」のお話やサーストンの三原則+2のところとか。さすが「平成の手品博士」(^_^;)。

自分のタネ明かしについてのおれルールは、「マジシャンはマジシャンとマジシャンになろうとしているヒト以外にタネ明かしをしてはいけない」というもの。だから、テレビでやるにしてもバラエティはNGで、講座(教育テレビみたいの)ならOK。同じ理由でネットでもオープンスペースならNG。クローズドなサイトならOK。まあ、あくまで個人的な見解としてですが…。プロの方もテレビ局側からの要望とか力関係とかあるんだろうけど、やっぱりそれなりの覚悟はしてやってほしいなーと。

奇術協会の掲示板の件は、結局協会側の対応のほうに問題があったと思います。「沈黙」(初期の藤山新太郎氏のコメント後のことです)というのもたしかにアリなやり方ですが、ここはやっぱりテレビというメディアにおける種明かし問題の正念場だったと思うんだけどなー。
あと、それから佐藤元一氏のプロフィール、テレビ出演で番組名はぼかすのかと思っていましたが、しっかり「ルートF」の出演経歴が書かれていました(^_^;)

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