上から読んでも下から読んでも同じ文章になる“回文”愛好者たちのサークル「回文こんぶイカ」。合宿旅行のため、利尻へと向かったメンバー十一人だったが、待ち受けていたのは回文見立ての殺人だった。…全篇回文に彩られた超絶ミステリ、書き下ろしで登場。
『喜劇ひく悲奇劇』。鯨統一郎著・ハルキノベルズ。泡坂妻夫の『喜劇悲奇劇』へのオマージュの回文づくしの一冊。上から読んでも下から読んでも同じ文や単語は太字で強調している親切編集(^_^;)です。中でも古今東西のミステリーを題材にした回文合戦は圧巻。1コだけ引用。
うかつだ榎木津礼二郎。路地入れず木の枝使う。(うかつだえのきずれいじろうろじいれずきのえだつかう)。
これは話題になるだろうなあ。この本を読んで知ったこと。『喜劇悲奇劇』の悲奇劇は悲喜劇でなくて悲奇劇。泡坂妻夫の泡の時のつつみがまえの中は「己」ではなくて「巳」。新保博久の文庫解説のタイトルは「エッセイから解説へ」(えつせいからかいせつえ)。