『The Magic Vol.58』発売。注目は藤山新太郎氏の連載「そもそもプロというものは」。テレビの種明かし問題にふれています。テレビの種明かしを
いいか悪いかといえば悪い。
と前置きした上で、
種明しする人間なんて犬の糞の垂れ流しと同じさ。ただのマナー違反だよ。そんな事は一々奇術会全体が大騒ぎする事じゃない。
と掲示板閉鎖につながった佐藤元一氏のルートFでの基本技法ネタばらし批判騒動をばっさり斬り、
…従来からある作品は本になったり、販売して全く構わないんだ。その本や種仕掛けは、一度取引されてしまえばその先は、又貸ししようと、タダであげてしまおうと勝手さ。種明し番組に使ったって原則はOKなんだ。
と言い切ってみるなど結構思い切ったコメントが。まあ、それなら協会のサイトにある「種明かし抗議文ひな形」ははずしたほうがいいと思いますが(^_^;)。また、
で、よくよく考えてみたなら被害額なんて全くと言っていいほどないんだ。どんなに種明し番組があっても、実際に愛好家やプロには何ら被害を受けない。仕事を失ったマジシャンはいないんだ。
という状況判断のもと、
愛好家が種明しを問題視するのは実害からではなくて、多分に被害者意識から来ているんだ。そうした点で、愛好家は種明しについて、もっと大人でなければならないよ。
と忠告されています。今回は「テレビでの種明かし問題」ということで、ネットでのネタばらしについては触れられていませんが、うーん、情報の拡散と浸透についての認識がちょっと甘いんじゃないかなーという気が…。自分的には奇術協会には、頑なに「種明し反対」の立場をとってもらって、「アタマの固いこといってんなー」とか言われたりするのがいいバランスなのかなと思っていたのですが、どうやらそうではなかったようです。参考テキストとして、スティング氏のサイトに詳しくまとめられた「マジック種明かし番組」問題特集の日本奇術界の対応を読むとまた一興です。